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大学入学共通テストの試験会場=2024年1月13日、東京都文京区、細川卓撮影

 今春の改正障害者差別解消法の施行で、官民問わず合理的配慮が義務づけられたが、大学入学共通テストで、別室受験など「受験上の配慮」を受ける受験生数が増えている。来年1月の入試は、さらに増える見込み。過敏性腸症候群などの病気を理由とした「配慮」も近年、増えており、大学も対応を迫られている。

 「来年1月の入試も部屋の確保が大変……」

 大学入学共通テストを前に、ある大学の担当者はそう話す。来年1月の試験は、新学習指導要領1年目の受験生のため、現役と既卒で入試問題が異なる科目も多く、教室も分ける必要がある。その上、「受験上の配慮」などでの別室受験が、増加傾向にあるからだ。

 大学入試センターによると、受験上の配慮決定者数は、2024年度入試は約4千人で、この10年で1.7倍になった。当日の体調不良や直前の事故などで配慮を申し出た人を除けば、24年度は過去最多で、「別室受験」もこの3年で1.3倍に増えた。担当者は「事前申請数が増加しており、来年1月の共通テストの決定者数も、前回より増えそうだ。部屋の確保が難しい場合は近隣の大学との調整をお願いしている」と話す。

 目立つのは、「発達障害」「病弱」の区分の増加だ。この10年間で「発達障害」は3.4倍に、「病弱」も7倍に増えた。

 「発達障害」は、24年度の…

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